あなたの有機栽培、それは本当に安全で美味しく、栄養価が高いですか?

最近、「安心で美味しい野菜を作りたい」と有機栽培を目指す生産者に多く出会います。  志は高く一生懸命で、手間ばかりかかる割に収穫量は少なく苦労されている方が多く、疲労感が溜まっていて、つい心配になってしまう方も見受けられます。

多くの方は、害虫と病気と戦い、収量も少なく、見た目も悪い。実際食べてみてもあまり美味しくないのでリピーターが増えず、販売にも苦労していて、結局普通の市場やJAに大半を販売せざるを得ない状況が少なくないのです。

以前、有機JASで有名な生産者さんの野菜の栄養価を測定した物を拝見した事があります。評価の高い野菜でしたが、栄養価は50年前の野菜のデータの半分から1/3ほどでした。

実際、葉物は早く萎れ、果実はすぐに腐り、糖度や旨味もあまり感じない野菜も多いのが現実です。

植物の生理と土壌の微生物的観点から考えると、今日本で行われている有機栽培の多くの方法では、「高機能な野菜の栽培は難しい」としか言いようがありません。          当然、高いスキルと知識をお持ちの方なら可能かとは思いますが、土作りに数年から10年。簡単ではありません。

弊社の圃場では、病気に弱い露地キュウリ以外の物は原則無農薬。栽培テストの為の化成肥料も少量使いますが、基本「窒素は有機由来・無農薬、除草剤不使用」で栽培しています。  植物生理と土壌の微生物の分解性を理解していれば、簡単に実現出来ます。

例えば、今年の暑い夏でも、20日連続雨のような年でも、熱にも雨にも弱いカリフラワーの栽培は順調です。ネットを張らなくても葉に虫食いの跡もほとんどありません。

長野県下伊那郡下條村 10月

トマトやキュウリ、ナスと言った果菜類の高温障害も関係ありません。高温による吸収障害のメカニズムを理解していれば、対策は簡単で、花とびする事なく、多くの生産者が市況の高い9月に最大収量を迎えています。

岐阜県飛騨市神岡 9月

有機栽培から導入頂いた生産者さんのほとんどの方が、「これほど楽に美味しい野菜が多収穫出来るとは思わなかった」とおっしゃいます。実際その地域の慣行栽培の収穫量と比較しても遜色ない方が多数見えます。

私は、作り方に制限なく、植物第一主義を唱えています。出来上がる野菜が最高の品質であるために何をすべきなのか?そのための工夫は随時行なっていきたいと思っています。    ですが。。。コール農法では、どのような栽培スタイルにも対応出来るのですが、有機JASには資材の認証を取っていません。(有機JASや自然栽培を否定するものではありません。私自身常に研究もしていますし、必要な部分は導入もしています)

有機JASの基準ではコール農法は出来ませんが、農業を産業にして行く上では、本当に美味しい野菜を余計な手間を省きながら多収穫していかないといけないのではと感じています。